株主・投資家の皆さまへ

 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申しあげます。当社は、社会に貢献できる企業を目指し、また社員が働きがいと喜びを感じる会社であるため、企業理念、ジャノメグループ行動憲章に基づいて活動しております。

 当社は2021年10月に創業100周年を迎えました。これまでの100年、大きな時代の変化とともに様々な困難に直面してきましたが、それを乗り越えられたのも、株主の皆さまをはじめ、多くのステークホルダーの皆さまの支えがあってこそと、改めて実感しております。この場を借りて感謝申しあげます。
 この創業100周年という大きな節目を迎えたことを機に社名を「株式会社ジャノメ」に改め、新たなスタートを切りました。また、これまでの100年で築き上げたジャノメの経営資源を活かし、次の100年に向けて動き出す最初の一歩として、中期経営計画「Reborn 2024」(2022年度-2024年度)を策定いたしました。
 タイトルである「Reborn」には、新生ジャノメとして、さらなる企業価値向上に向けた新たなステップを踏み出すという思いを込めています。スローガンには「これからの100年に向けた持続可能な成長」を掲げ、サステナビリティを主軸に置いた経営を推進し、持続可能な社会の実現と企業価値向上の両立を図ってまいります。
 事業環境としてはコロナ禍やロシア・ウクライナ問題をはじめとした世界情勢の混乱から、部品不足が常態化しており、またエネルギー価格等の上昇に起因して物価高騰が相次ぎ、さらには物流網の混乱も続くなど、依然として厳しい状況が続いております。家庭用ミシン事業と産業機器事業ともに、部品の安定的な確保と製品の安定供給、適切な価格転嫁が当面の課題と認識しております。中期経営計画に基づく事業活動を推進しながら、めまぐるしく変化する事業環境に柔軟に対応し、より強固な事業基盤を構築していきたいと考えています。
 そして、昨今、人権や環境などに関わる様々な社会問題が絶えず発生している中で、社会を構成する一企業としてこれらの解決に向けた社会的責任は一層重みを増しています。世の中の大きな流れであるSDGsは当社事業にも大きく関わっており、家庭用ミシン事業による「ものづくり」文化は、教育・省資源・豊かな暮らしというSDGs基本理念に則した人々の生活の質的向上に大きく貢献しています。産業機器事業は、自働化による働き方改革・省エネ、そして脱炭素化を提唱する世の中の潮流であるEV関連事業など、当社製品がSDGsの達成に貢献できる用途も多く、これを足掛かりに、家庭用ミシン事業とともに第二の柱として拡充・発展させる所存です。
 これらの事業目標を一歩一歩着実に成し遂げ、企業としての社会的責任を果たしていくことで、すべてのステークホルダーの皆様とより一層良好な関係を築き、信頼される企業であり続けることを目指します。

 株主の皆様のおかれましては、従前と変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

代表取締役社長 齋藤 真