環境への取り組み

  • 環境マネジメント
  • 事業プロセスにおける環境配慮活動
  • 気候変動への対応(TCFD提言に沿った開示)
  • グリーン調達ガイドライン

環境マネジメント

地球環境の保全に貢献すべく、下記の通りグループ環境方針を定め、ISO14001やエコアクション21を軸にした環境マネジメント体制のもと、環境配慮活動を行っています。

グループ環境方針

理念

ジャノメグループは「自然と人が調和した地球環境の保全」が人類共通の最重要課題の1つであることを認識し、企業活動のなかで環境の保全に配慮し、社会の持続的発展に貢献する。

方針

  1. 生産活動と商品・サービスの提供を通じて、CO2排出量の削減に取り組む。
  2. 全ての事業プロセスにおいて3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進し、省資源・省エネルギー化に取り組む。
  3. 環境負荷の低減に貢献する製品・サービスを創出し、環境の面からも社会に貢献する。
  4. 人や環境に影響を与える有害物質の管理に取り組み、環境リスクの低減を図る。
  5. 環境への取り組みについて、積極的に情報を開示する。

株式会社ジャノメ
代表取締役社長 齋藤 真

ISO14001認証の継続取得

当社グループでは、すべての生産拠点においてISO14001やエコアクション21の認証を取得しており、それぞれが環境マネジメント体制の管理・運用を行っています。 当社では代表取締役社長を最高責任者とし、経営層が任命した環境管理責任者を中心として、品質/環境管理委員会の場でISO活動について報告と協議が行われます。日々の活動は環境マネジメント体制のもと行われており、これらの活動は年に1回実施される承認機関による外部審査や内部監査でチェックされます。1年間の活動はマネジメントレビューの場で経営層に報告され、PDCAサイクルを回して改善を行っています。

ISO14001

当社グループのISO認証取得状況

※ジャノメダイカスト(株)のうち、関西工場ではISO14001を取得しています。

会社名 ISO14001 ISO9001
(株)ジャノメ
ジャノメダイカスト(株)
(エコアクション21を取得)※
ジャノメ台湾(株)
ジャノメタイランド(株)
ジャノメダイカストタイランド(株)

環境関連法令の順守

当社グループでは、各環境関連法令の他、各自治体の条例を順守しています。法令・条例等の動向を定期的にチェックし、自社で環境測定を実施してモニタリングを行っている他、必要に応じて第三者分析機関へ測定を依頼し、規制値の順守状況を確認しています。

環境教育

当社では、新入社員研修でISO14001の概論について学ぶことに始まり、その後、職制や業務内容に応じた環境教育や、法令に基づき資格取得者を登録することが義務付けられている資格についての教育を随時実施しています。
また、毎年実施している内部監査員の養成講座について、2020年度は新型コロナウイルスの影響により開催を見送りましたが、社内の90人以上の監査員に対し、適宜内部監査部門から内部監査等、フォローアップを行い、効果的監査・監査品質の維持・向上に努めました。
この他、化学物質管理に関する法規制や有害物質等の情報を社内ポータルサイト上に「ミニ通信」として継続的に配信しています。

化学物質管理

当社グループでは、人体や環境に影響を与える化学物質について、各環境法令や社内規定に基づき、適正な管理・調査を行っています。当社ではPCB※(ポリ塩化ビフェニル)含有機器を「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に基づき適正に保管しており、行政が管理するPCB処理施設のスケジュール、方針に従い順次処理を行っていく予定です。
また、アスベスト(石綿)については、一部建物で使用されていますが、対象箇所を定期点検し、適切な管理を行っています。

※PCBは、絶縁性・不燃性などの特性を有することから、変圧器の絶縁油などに使用されてきましたが、1960年代後半にその毒性が社会問題化し、1970年代に生産・輸入・使用が禁止されました。

化学物質管理

事業プロセスにおける環境配慮活動

当社グループの各事業プロセスにおいて行われている環境配慮活動をご紹介します。

研究開発での取り組み

当社では、製品自体の環境負荷低減のため、以下を取り組みテーマに掲げ、家庭用機器や産業機器の研究開発を進めています。

省資源:製品重量や製品体積の減少、部品の共用化、分解容易性の確保
省電力:待機時および使用時の消費電力削減
長寿命化:高耐久部品の使用、外部接続によるバージョンアップ対応
有害物質の削減:製品含有化学物質規制への対応

ミシンの新規開発機種において、外装部品のABS樹脂を従来機種に比べ削減した他、省エネ・長寿命であるLEDライトの採用を推進しています。
※ABS樹脂とは、合成樹脂の一種でアクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂の総称です。

LEDライト

産業機器においては、上記の各テーマに取り組むとともに、独自の評価基準書に基づき環境に配慮した製品開発を行っています。評価基準の内容には、以下の要素があります。

リサイクル性
総部品に対する再資源可能な鉄系部品や再生可能プラスチック部品等の割合増加

安全性
製品含有化学物質規制であるRoHS指令やREACH規則の他、UL規格やCEマーキング、KCs認証、労働安全衛生法等の販売仕向地に合わせた設計

その他
ユニット化の推進・組立性の向上・メンテナンス部品の交換性の向上

サーボプレスの最新機種では、同タイプの従来機種と比較評価を行い、全項目で同等かそれ以上の評価結果となりました。また、環境への配慮に加え、作業者(使用者)の安全性にも配慮し、同機種にはEN574※の規格に適合した両手操作制御装置(スイッチボックス)を内蔵しました。性能面でも妥協しない開発に取り組んでいます。
※EN574とは、両手操作機器の設計と選定に関する安全要求事項を規定したものです。

サーボプレス

調達での取り組み

当社グループでは、2011年に「グリーン調達ガイドライン」を制定し、RoHS指令※1、REACH規則※2をはじめとした様々な製品含有化学物質規制を順守すべく各生産拠点と連携を取りながら適切に対応しています。本ガイドラインに基づき、サプライヤー各社の協力を得ながら規制物質含有の有無や含有量の調査を行い、規制に適合した製品を調達(採用)しています。

※1 RoHS指令は、EUで2006年7月から施行された、電気・電子機器に特定の有害物質を使用することを制限する指令です。鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)、DEHP(フタル酸ビス(2-エチルヘキシル))、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DIBP(フタル酸ジイソブチル)が該当します。
※2 REACH規則は、EUで2007年6月から施行された、EUにおける化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限の規則です。

グリーン調達ガイドライン

ジャノメグループ グリーン調達ガイドライン(Ver. 4.5)

JANOME Group Green Procurement Guidelines(English)(Ver. 4.5)

JANOME 集團 綠色採購指南(中文)(Ver. 4.5)

(グリーン調達ガイドラインに関するお問い合わせ)
環境管理推進室
TEL 042-661-2853
FAX 042-661-2177

生産での取り組み

各生産拠点では、日々あらゆる手段を講じ、業務効率化と製造コスト削減を図るとともに、エネルギー効率の最大化、電気消費量の削減など、省電力で地球環境に配慮した生産体制の強化に努めています。

ジャノメタイランド(株)では、同社倉庫に換気用のダクトを設置したことで、空気の循環能力が向上し、室温が3℃低下しました。また同時に換気による感染対策にも繋がっています。
さらにミシン生産ラインおよび人員の増加により、工場における体感温度上昇並びに作業効率の悪化が懸念される中、快適な職場環境の構築と環境への配慮を両立するため、エアコン30台をインバーター式に交換したことで、年間約170万円分の電気消費量を削減しました。
ジャノメ台湾(株)では、太陽光発電設備の導入や照明のLED化をはじめとした省エネ設備への更新、またエアコンの温度設定に制限を設けるなど日常的な取り組みを含め、環境配慮への取り組みを継続的に実施しました。
その他、各生産拠点において、老朽化した設備の更新や修繕を随時実施し、作業効率の向上、消費電力の抑制を図りました。

各生産拠点 新たに設置した換気用ダクト(ジャノメタイランド(株))

物流での取り組み

当社では物流における環境配慮の取り組みとして、電動フォークリフトの導入や配送便の集約化、緊急空輸削減のための在庫管理の最適化を行い、CO2の削減に取り組んでいます。

パレットのリターナブル化

当社グループでは、コストダウンの一環として、生産子会社であるジャノメ台湾㈱から東京工場への納入に使用しているスチールパレットのリターナブル化を進めています。これまで廃棄していたパレットをグループ内の物流に再利用することで、2020年度は受入総量の約7割をこのリターナブルパレットで賄うことができました。また、スチールパレットをジャノメ台湾㈱に返却するにあたっては、部品供給に使用するコンテナの空きスペースを利用することで余分な輸送を削減しています。

パレットのリターナブル化

その他の取り組み

太陽光発電システムの導入

当社では、東京工場2号棟の屋上に太陽光発電システムを設置しており、2020年度の発電量は118,367kWhとなりました。これをCO2の削減量に換算すると、54,094kg-CO2となり、スギの木約3,860本のCO2年間吸収量に相当します。
※50年生のスギの木1本あたりの年間CO2吸収量を14kgとして換算しています。(林野庁関東森林管理局ホームページより)

太陽光発電システム

ペーパーレス化の推進

当社では、ISO14001の全社目標として省資源・省エネルギー化の推進を掲げ、業務効率化を兼ねた紙の削減に取り組んでいます。
本社では、印刷方法を工夫するとともに、電子黒板を利用し会議のための紙資料の削減を図ることで、2020年度のプリント枚数は2019年度よりも約326千枚(13.6%)削減することができました。
各部署がプリントの使用状況を把握できるよう、月ごとに複合機、プリンターともに使用枚数を計測し、1台ごとに前年実績と比較できる一覧表を作成し社内で公開しています。

植樹活動による環境保全

ジャノメダイカストタイランド(株)では、環境温暖化防止を目的とした植樹活動を定期的に実施しています。2020年度は同社敷地内にマンゴーの木を50本植樹しました。また、同社の所在するサハパタナ工業団地の企業と合同で、近隣のゴルフ場敷地内にパドウク、ローズウッドなど、主に東南アジアに生育している木の苗木を合計200本植樹しました。

ジャノメタイランド(株) 植樹活動による環境保全

気候変動への対応

当社グループは社会の一員として、温室効果ガスの排出削減をはじめ、環境問題に積極的に取り組んでまいります。
2022年4月に設置したサステナビリティ推進委員会では、重要課題の一つとしてこの課題を大きく取り上げており、同委員会が中心となって、当社グループの気候変動に係るリスクと機会を評価し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示の充実に向けて取り組んでおります。

ガバナンス

当社は、経営の意思決定において、サステナビリティの観点を取り入れ、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立を目指しております。
気候変動をはじめとする環境問題に対しては、代表取締役社長を委員長に社内横断的メンバーで構成されたサステナビリティ推進委員会が当社グループの環境活動全般を統括いたします。
サステナビリティ推進委員会は、定期的に開催し、気候変動に係る重要事項の審議および課題・目標ならびに施策の決定とその実践の評価・推進等を担います。また、執行部門の目線だけでなく、客観的視点から当社サステナビリティに関する様々な重要テーマを審議していくため、議長には社外取締役を置きます。
さらに、課題対応所轄部署として、経営企画室、総務部、環境管理推進室が中心となり、各事業部門やグループ子会社における気候変動課題への対応を適宜フォローし、サステナビリティ推進委員会において課題に対する進捗状況を評価します。
サステナビリティ推進委員会における審議内容は年2回以上取締役会に報告し、取締役会は、同報告を受けグループ全体の環境活動を監督するとともに、気候変動に係る重要な方針等を決定し、経営計画をはじめとする事業戦略に組み込むなど、グループ全体で取り組みます。

[ 気候変動に係るガバナンス・リスク管理体制 ]

気候変動に係るガバナンス・リスク管理体制

リスク管理

当社は、全社レベルのリスク管理体制において、リスク管理委員会を設置し、各事業部門やグループ子会社からの報告またはヒアリングにより、年2回、グループ全体のリスク・機会の把握と適切な対応を審議し、取締役会に報告します。
気候変動に関連するリスク・機会は、サステナビリティ推進委員会においても共有され、重要度や具体的対応策について審議・決定し、その内容を取締役会に報告します。
取締役会は、リスク管理委員会およびサステナビリティ推進委員会より、気候変動に関連するリスク管理の状況等について報告を受け、監督します。

[ 気候変動リスク・機会の管理プロセス ]

気候変動リスク・機会の管理プロセス

戦略

当社は、TCFD提言に基づき、2℃および4℃の気温上昇時の世界を想定したシナリオ分析を実施し、気候変動が当社事業ならびにバリューチェーンにもたらすリスクと機会を特定し、財務影響等について検証いたしました。
シナリオ分析の結果、4℃シナリオでは、脱炭素が推進されず、異常気象の激甚化をはじめ自然災害が増加し、それに伴う設備への被害やサプライチェーンへの影響など、物理的なリスクへの対応が重要であることを確認いたしました。一方で、2℃シナリオにおいては、炭素税やプラスチック規制をはじめとした政策・法規制によるコストの増加など、生産・調達の面で影響が大きいことが分かりました。また、脱炭素社会が進むことで、環境配慮製品への置き換え需要の増加や消費行動の変化による低炭素素材、省電力化、部材の共用化など環境にやさしい製品のニーズの高まりなどが機会であることを確認いたしました。

[ 当社グループのリスクと機会 ]

時間軸:短期(現在~2025年頃)、中期(2030年頃)、長期(2050年頃)
分類 項目 影響 指標 時間軸
リスク 移行 政策/
法規制
炭素税・排出量取引制度 炭素税・排出量取引制度の導入により操業コストや燃料費などのコストが増加 支出 中期~
長期
プラスチック規制の導入により、代替材料等の選定・導入に伴うコスト、プラスチック製品の自主回収などのコストが増加 支出 中期~長期
市場 エネルギー価格の変化 再エネ比率増加により、グリーン電力購入等のコストが増加 支出 中期~長期
仕入コストの増加 省エネへの対策の必要性の高まりから製品の省エネ性能の競争が激化し、省エネ対応部品の世界的枯渇により仕入れコストが増加 支出 中期~長期
消費者行動の変化、
市場シグナルの不透明化
環境配慮製品への消費者期待の高まり等、市場要請への遅れによる販売機会の喪失 収益 中期~長期
物理 急性 自然災害の増加 台風、雷、集中豪雨等の発生増加により、冠水、停電リスクが生じ、従業員が出社できない場合や工場設備が停止した場合、操業停止日の増加や設備復旧への追加投資、保険料等のコストが増加し、さらにサプライチェーンの停止により、部品の納入が止まるなどした場合に販売機会を喪失 支出/
資産
中期~長期
慢性 温暖化による環境変化 気温上昇により生産工場の建物の冷房効率が低下するなど、労働環境が悪化することに伴い、作業ミスの増加等、生産性が低下するとともに、従業員の離職率が増加 支出/
資産
長期
機会 エネルギー源 カーボン市場への参画 油圧、空圧プレスと比較し、サーボプレスは作業者やワークにも優しい低騒音でクリーンな環境が実現でき、電気使用量は10〜20%程度に抑えることが可能となり、CO2の削減や精密加圧制御による不良率の低減から部品廃棄削減など、環境に寄与することが期待される 収益 中期~長期
製品および
サービス
低炭素商品・サービスの開発 低炭素材料の積極的利用や製品の低消費電力化、部材の共用化などを一層推進し、消費者から、これまで以上に商品価値として認められる可能性がある 収益 短期~中期
レジリエンス 再エネプログラム、省エネ対策の推進、資源の代替・多様化 新技術を活用した製品の需要創出 収益 長期

指標と目標

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、気候変動により様々な影響を受けることが予想されます。こうした影響を最小限に抑え事業を安定的に継続していくことはもとより、当社は社会を構成する一員として、環境問題の解決に向けて積極的に取り組むべき社会的使命があると考えております。
こうした考えのもと、気候変動への取り組みの一歩として、2021年度における当社事業活動等に伴うCO2排出量についてGHGプロトコルに基づき算定を行った結果、Scope1,2が16,621トン、Scope3が113,567トンとなりました。対象範囲は、Scope1,2が当社および連結子会社で、Scope3は当社となります。
今後は、算出した数値等も踏まえ、CO2排出量の具体的な削減目標やその達成に向けた施策などについて、サステナビリティ推進委員会を中心に協議・決定してまいります。
当社グループは、より一層環境に配慮した事業活動に取り組み、持続可能な社会の実現と会社の企業価値向上を図ってまいります。

グリーン調達ガイドライン

ジャノメグループ グリーン調達ガイドライン(Ver. 4.5)

JANOME Group Green Procurement Guidelines(English)(Ver. 4.5)

JANOME 集團 綠色採購指南(中文)(Ver. 4.5)

(グリーン調達ガイドラインに関するお問い合わせ)
環境管理推進室
TEL 042-661-2853
FAX 042-661-2177