

JPシリーズ5ユニットタイプ 標準コントローラ
安全回路とは、非常停止スイッチを押したときに危険な動作を強制的に停止させるため、モータの駆動電源を遮断して確実に停止させる回路です。
電動プレスのように危険性が高い設備では、「止めたいときに止まる」だけでなく、故障が起きても安全側に動作する(安全機能が失われない)ことが重要になります。
本記事では、安全回路の基本動作から、サーボモータで一般的なSTO(Safe Torque OFF)の考え方、復帰時の注意点、二重化・セーフティリレーの役割までを整理します。あわせて、安全回路を内蔵したJP5シリーズ ユニットタイプ標準コントローラの導入メリットにも触れます。
安全回路の役割:非常停止で「駆動電源を遮断」する
安全回路の目的はシンプルで、非常停止スイッチが押されたら、モータがトルクを出せない状態にして危険動作を止めることです。
特に電動プレスでは、停止の確実性が求められるため、安全回路の信頼性を高める設計が前提になります。
電動プレスでは「二重化」と「故障検知」が基本
危険性が高い装置では、安全回路の信頼性を高めるために、
- 回路を二重化(冗長化)する
- 故障を検知できるセーフティリレーを使う
二重化しておけば、構成部品が単独で故障しても、安全機能が直ちに失われにくい設計にできます。
サーボモータではSTO(Safe Torque OFF)を使って遮断する
サーボモータの場合、駆動電源遮断のためにサーボドライバのSTO 機能(Safe Torque OFF)を使用します。
STO は、非常停止時にサーボモータがトルクを発生できない状態にするための安全機能で、サーボシステムの安全回路設計で広く用いられています。
安全回路の基本動作(原理図の考え方)

原理を示すため、STO以外は二重化せず、セーフティリレーではなく単なるリレーを使った回路として考えます。
- 非常停止スイッチを押す
- 接点が切れて、リレーコイルに流れる電流が止まる
- リレー接点がOFFする
- サーボドライバのSTO入力が切れ、サーボモータの駆動電源が遮断される
「復帰」の設計が重要:解除しただけで動力が戻らないこと
非常停止から復帰する際は、危険が取り除かれたことを確認しながら慎重に行う必要があります。
特に重要なのは次の点です。
- 非常停止スイッチをリリース(回して戻す)しても、それだけでは復帰しない
- 駆動電源の復帰は、独立した操作で行う
- スタート指示と兼用しない
「自己保持回路を使った復帰例(意図しない再起動を防ぐ)

このような回路にすると、非常停止スイッチを解除しても、それだけでは駆動電源がONしません。
駆動電源ONスイッチを押すことで動力ONします。回路のポイントは以下です。
- リレーコイルは、駆動電源ONスイッチとサーボドライバのTOFB出力を介してDC24Vに接続
- TOFB出力は、サーボドライバが正常に働いて駆動電源遮断しているときにON
- サーボドライバが正常で、駆動電源ONスイッチを押すとリレーコイルに電流が流れる
実際の安全回路は二重化する(単一故障で安全機能を失わない)

実際の安全回路では、非常停止スイッチやリレーを二重化します。
二重化すると、構成する素子が単独で故障しただけでは、安全機能は失われません。
セーフティリレーを使うと設計・配線が整理しやすい

二重化された自己保持回路を含めた機能を持つセーフティリレーを使うと便利です。
安全回路として必要な機能をまとめやすく、設計意図も明確になります。
JP5シリーズ標準コントローラなら「安全回路内蔵」で立上げを効率化
ここまで見てきた通り、安全回路は「止める」だけでなく、二重化・故障検知・復帰手順まで含めて設計する必要があり、装置立上げ時の工数や確認項目が増えがちです。
JP5シリーズ ユニットタイプの標準コントローラは、こうした安全回路を内蔵しているため、
- お客様側で安全回路を別途用意する負担を軽減
- 配線・立上げの手間を削減
- JP5シリーズの性能を最大限に引き出す前提で設計された安全回路により、信頼性の高い運用を目指せる
といった場合は、仕様検討段階からご相談いただくのが確実です。
貴社の用途(加圧能力、ストローク、タクト、設置環境、必要な安全カテゴリ等)を伺い、JP5シリーズを前提にした構成案をご提案します。お問い合わせフォームよりご連絡ください。
