卓上ロボット選定ポイント5選 XYZR軸、可搬質量等詳しく説明

製造現場での自動化ニーズが高まる中、省スペースで導入しやすい卓上型ロボットの活用が注目されています。しかし、いざ導入しようとすると「どの型式を選べばいいのか」「可搬質量はどの程度必要か」など、選定時に迷ってしまうこともあるかもしれません。

本記事では、XYZR軸構成や可搬質量、操作部、電源仕様など、ジャノメの卓上ロボット選定時に押さえるべき5つの重要ポイントを、技術的な観点からわかりやすく解説します。
用途に合ったロボットを選ぶための判断材料として、ぜひご活用ください。
(※本記事の説明は、JR3000シリーズをベースにしています。JR4000シリーズとは型式の構成や項目名が一部異なる場合がありますので、選定の際は各シリーズの仕様をご確認ください。)

ジャノメの卓上ロボット 型式コード

型式コードには、選定時に確認すべき5つのポイントが反映されています。
各項目の意味を理解することで、用途に合った仕様を効率よく選定することができます。

(1)
種別
(2)
X軸・Y軸ストローク(mm)
(3)
軸数
(4)
エンコーダ・製品種別
(5)
操作部仕様
(6)
電源仕様
JR3000
シリーズ
20:200×200
30:300×320
40:400×400
50:510×510
60:510×620
2:2軸
3:3軸
4:4軸
E:エンコーダ有り
N:エンコーダ無し
F:高可搬仕様
A:スイッチ実装仕様
B:スイッチボックス仕様
C:簡易スイッチボックス仕様
C:主にEU圏内、韓国
J:主に日本国内

※JR4000シリーズの型式コードはこちらをご覧ください。

①サイズ:動作範囲・可搬質量

卓上ロボットでは、5種類のサイズ(下表参照)をご用意しています。
選定にあたって、使用予定の動作範囲や可搬質量に応じたサイズをお選びください。

動作範囲[mm] 可搬質量[kg]※2
X Y Z R※1 ワーク ツール
200 200 50 ±360° 7 3.5
300 320 100 15 7
400 400 150
510 510
510 620

※1: 4軸ロボットの場合。

※2: JR3000シリーズ 高可搬仕様では、ツール質量最大15kgまで、ワーク質量最大20kgまで対応可能。

②軸数(XYZ+R軸)

3軸と4軸をご用意しています。
ツールの動きで回転動作(R軸)が必要な場合は、4軸仕様のモデルをご選定ください。

③エンコーダおよび製品種別

用途別に以下の仕様をご用意しています:

型式 仕様概要
N エンコーダなし
E エンコーダあり(脱調検出・エラー停止が可能)
F 高可搬仕様(最大:ワーク20kg/ツール15kg)
※サイズは300×320、400×400(両持ち)の2機種
T ツインテーブル仕様
(Xテーブルが2つあり。作業と段取り替えを並行実行)
ERT 上方集塵方式の基板分割モデル
EBV 下方集塵方式の基板分割モデル
ST ねじ締め専用仕様
AP-D カメラ等を搭載した位置・高さ補正対応の塗布専用仕様

エンコーダ仕様について

卓上ロボットはステッピングモータを採用しているため、過負荷時に「脱調」現象が発生し、位置ズレにつながる可能性があります。
エンコーダ付き仕様ではこの異常を検出し、「脱調」現象が発生した場合、自動的にエラー停止することで品質を確保できます。

④操作部仕様(スタートスイッチ・プログラム切り替えスイッチの位置)

プログラム番号の表示/切り替えをどこで行うのか、スタートをどこで行うかにより3つの選択肢から選ぶことができます。

⑤電源仕様(アウトレット有無)

ここで選定いただくのは、電源コンセント(アウトレット)の有無・種類となります。
C:アウトレットなし
(記号なし):アウトレットあり(200V対応)
J:アウトレットあり(100V対応)

卓上ロボットの選定でお困りの方へ

卓上ロボットの仕様は、用途や作業条件により最適な構成が異なります。
「どのサイズ・軸数が適しているのか」「エンコーダや4軸仕様は本当に必要か」といった選定時の疑問に対して、現場実績に基づいたご提案が可能です。

より詳しい仕様比較や用途別の選定事例については、以下もぜひご活用ください。

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